
AIエンジニア、機械学習エンジニア、データサイエンティスト、データアナリスト….
AIに関連する職種の呼称はたくさんありますが、違いがよく分かりません…🥲



私も実はよく分かっていません…🥲



AIに関連した仕事は新しくできたものばかりなので、日本ではまだ呼び名が確立していないんだよ〜🙂
種類も多いので整理してみよう~!
AIに関連した仕事が生まれてから日が浅いため、名称に紐付いた仕事内容はあまり知られておらず、未経験からAI関連の仕事を目指す人にとって分かりにくい状態となってしまっています。
この記事では現役のAIエンジニアがAIに関連した職種の仕事内容を説明し、特に「機械学習エンジニアが」「データサイエンティスト」「データエンジニア」の違いを解説します。
この記事を読むことで、これからAI関連の職種への転職やジョブチェンジを検討している人が自分に向いた職種を決める手がかりを得ることができます。
結論:機械学習エンジニアは物作りをする人。データサイエンティストは分析をする人。データエンジニアは整理する人。


AI関連の職種の名称はさまざまです。
まず「AIエンジニア」ですが、これはAIに関連した仕事をするエンジニアの対する総合的な名称です。
そして「AIエンジニア」は「機械学習エンジニア」「データサイエンティスト」「データエンジニア」の3種類に大きく分けることができます。
以下の表は「機械学習エンジニア」「データサイエンティスト」「データエンジニア」の仕事内容を整理したものです。
名称 | 概要 |
機械学習エンジニア | ものを作る人。 AIモデルやAIモデルを含むソフトウェアを開発するエンジニア。 |
データサイエンティスト データアナリスト | 分析する人。 事業に紐づく課題をデータ分析して改善をはかるコンサルタント。 |
データエンジニア | 整理する人。 データを扱いやすい形でデータ基盤に整理するエンジニア。 |
機械学習エンジニアの仕事内容は、一言で言うと、ものづくりです。AIがデータを学習し、データを予測できるようなモデル(プログラム)とそれが含まれるソフトウェアを開発します。
データサイエンティストやデータアナリストの仕事内容は、分析です。AIや数学の知識を使って、実在するビジネスに関連するデータを分析して、課題解決を試みます。
データエンジニアの仕事内容は、整理です。ビックデータをうまく扱えるように実在するビジネスに関連するデータの基盤を整えます。
以上の仕事内容の違いから、適性を整理してみます。
機械学習エンジニアが向いている人
・ものづくりが好きな人
・既に他のエンジニアとして働いている人
データサイエンティストやデータアナリストが向いている人
・ビジネス寄りでコンサルティングをしたい人
・既にビジネスサイドで働いている人
データエンジニアが向いている人
・データそのものが好きな人



私はビジネス寄りで仕事するのが好きなのでデータサイエンティストに惹かれます~🙂



僕はものづくりが好きなので機械学習エンジニアが向いていそうです!
それでは「機械学習エンジニア」「データサイエンティスト」「データエンジニア」の仕事内容を詳しく見てみましょう。
機械学習エンジニアの仕事内容


機械学習エンジニアの仕事はユーザーの課題から生まれます。
※ここで言うユーザーは個人だけでなく企業も含まれます。
最初にユーザーから「スタジアムの入場時に行列ができてしまっていてスタッフでは対応できない」「クラウドに資料が沢山あるけど分類が追いつかない」のような課題がエンジニアが所属する会社に持ち込まれます。


そして、機械学習エンジニアはAIモデルやAIモデルを含むソフトウェアを作ることでユーザーの課題解決を試みるのです。
主に画像認識や自然言語処理を使ったAIモデルを作ります。
モデルを作るための学習用のデータが用意されていなければ、それを集めて加工することもしますし、他のエンジニアと協力してソフトウェアの開発に関わることもあります。
そのため、機械学習エンジニアにはAIモデルを作れる高度なプログラミング技術だけではなく、データを分析するスキルやソフトウェアへの理解も求められます。
機械学習エンジニアが扱うデータ
・主にテキストや画像、音声などの非構造化データを扱う
機械学習エンジニアに必要なスキル
・AIモデルを論文から組み立てられる数学への理解とプログラミングスキル
・AIモデルをソフトウェアと連携できるエンジニアスキル
・PythonやTensorflow、PyTorchなどを使えるスキル
このように、機械学習エンジニアは自分のスキルを使ってサービスを作り、ユーザーの課題をダイレクトに解決できるため、仕事の成果を実感しやすいところが仕事の醍醐味です。
ものづくりが好きで、世の中に直接インパクトを与えたい人に向いている仕事と言えるでしょう。
機械学習エンジニアの実情
動画で現役の機械学習エンジニアの仕事風景を見ることで職種への理解が深めてみましょう。
以下の動画は厚生労働省が運営する職業情報サイト「job tag(ジョブタグ)」に載っている機械学習エンジニアの紹介動画です。
YouTubeの動画も参考になります。
オススメの機械学習エンジニア関連動画(YouTube)
・AIエンジニアの働き方、めちゃくちゃ○○だった!【2021年最新版】→https://youtu.be/S3mqauE0KvY
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続いて、気になるお金の話ですが、令和3年賃金構造基本統計調査によると、機械学習エンジニアの平均年収は558万円で、日本人の平均年収の433万円よりも120万円ほど高くなっています。
機械学習エンジニアに関するデータ
平均年収:558.8万円
平均年齢:41歳
就業者数:176,120人
※令和3年賃金構造基本統計調査
最後に求人件数に関してです。
有名転職サービスにおいて「機械学習エンジニア」のキーワードで検索して、ヒットした件数は以下のようになりました。
検索結果(2023年1月)
・Indeed(インディード):63,823件
・Wantedly(ウォンテッドリー):7,541件
・doda(デューダ):160件



機械学習エンジニアに転職できれば給料が大幅にアップするので頑張りがいがありますね💪
データサイエンティストの仕事内容


データサイエンティストの仕事は一言で言えばコンサルティング業です。
既に存在するビジネスの課題をコンサルティングして、それを解決するための手段としてデータ分析をおこないます。
ユーザーとコミュニケーションを取ることで、ユーザーが「出勤管理に使っているSaaS(サース)サービスの過去の出退勤履歴から、社員の離職率を探りたい」「ネットショップのユーザーの購買履歴から商品のリコメンド機能を改善したい」というような課題を抱えていることが分かったとします。


これらを解決するために、統計や機械学習のスキルを使ってデータ分析をして、解決策をフィードバックすることがデータサイエンティストの仕事です。
またデータサイエンティストと似た職種にデータアナリストがありますが、仕事内容が少し違っています。
データサイエンティストとデータアナリストの違い
・どちらも分析を武器にするコンサルティング寄りのAIエンジニア
・データアナリストが扱うデータは構造データ、データアナリストが扱うデータは構造データと非構造化データの両方
・データアナリストは基本的に統計を用いて分析する、データサイエンティストは統計だけでなく機械学習やシステムについても理解した上で分析する
参照サイト:「AI 関連の職種と仕事内容を現役 AI エンジニアに聞いてみた」
データアナリストの仕事内容はデータサイエンティストとほぼ同じですが扱うデータとスキルの範囲が違います。
データアナリストが扱うデータは構造データだけで、使うスキルに機械学習は含まれません。
データアナリストの上位兌換がデータサイエンティストと言えます。
データサイエンティストが扱うデータ
・データベースにある構造化データと画像や音声などの非構造化データの両方を扱う
データサイエンティストに必要なスキル
・統計や機械学習を使ってデータを分析するスキル
・関係者とコミュニケーションをとって仮説を構築して思考するスキル
・PythonやNumpy、Matplotlib、Pandasなどを使えるスキル
上の図はデータサイエンティストに必要なスキルを整理したものですが、スキル範囲がユーザーとのコミュニケーションからデータ分析まで幅広いです。
そのため、データサイエンティストに向いているのは、ビジネス領域とエンジニア領域の仕事を横断して、ユーザーのビジネスをサポートしたい人と言えます。
普段からビジネスサイドで働いていてビジネスへの理解が深く、AIスキルで課題解決をしてみたいという想いがある人にオススメです。
データサイエンティストの実情
厚生労働省の職業情報サイト「job tag(ジョブタグ)」がYouTubeで公開しているデータサイエンティストの動画です。
YouTube上の動画も参考になります。
データサイエンティストに関連する動画(YouTube)
・【データサイエンス5つの誤解】①データサイエンス=データを分析すること/②データサイエンスは「+α」/③データサイエンスは専門家に任せるべき/④分析結果=答え/⑤文系には無理/独習におすすめの書籍
→ https://youtu.be/ibydqYsyuBA
・統計的因果推論とビジネス【データサイエンティスト】→https://youtu.be/WW0geQGuk-M
次は、年収についてです。
令和3年賃金構造基本統計調査によると、データサイエンティストの平均年収は531万円で、日本人の平均年収の433万円よりも100万円ほど高くなっています。
データサイエンティストに関するデータ
平均年収:531.9万円
平均年齢:42.6歳
就業者数:73,570人
※厚生労働省の職業情報提供サイトjobtagを参照
最後に求人件数に関してです。
転職関連サービスで「データサイエンティスト」というキーワードでヒット件数は以下の図のようになりました。
検索結果(2023年1月)
・Indeed(インディード):33,282件
・Wantedly(ウォンテッドリー):10,588件
・doda(デューダ):1220件



私はお客様とコミュニケーションをとることが好きなのでデータサイエンティストの仕事を楽しめそうです^_^
データエンジニアの仕事内容


続いてデータエンジニアについて。
データエンジニアの仕事はビッグデータを整理することです。
ビッグデータ(big data)とは?
引用:IT用語辞典 e-Words(イーワーズ)
従来のデータベース管理システムなどでは記録や保管、解析が難しいような巨大なデータ群。
以前はビジネスで扱うデータは表やテーブルで整理できる構造化データがメインでしたが、2010年代にスマホやIoT機器が普及したことで、画像や動画のような非構造化データを含むビッグデータを扱うことができるデータエンジニアへの需要が高まってきています。


データエンジニアは既存のビジネスに関連するビッグデータを抽出・分析しやすいように、AWSやGCPのようなクラウドコンピューティング上でデータ基盤(データベース、データレイクetc)を整えます。
そのため、大量のデータを扱うための数学的な知識に加えて、クラウドやインフラを自分の手で操作できるスキルが必要です。
データエンジニアが扱うデータ
・データベースにある構造化データと画像や音声などの非構造化データの両方を扱う
データエンジニアに必要なスキル
・コンピュータ・サイエンス全般の知識、クラウドとインフラを扱うことができるスキル
・Linux、SQL、Python、Hadoopなどを使えるスキル
データエンジニアは裏方業であり、データサイエンティストや機械学習エンジニアのように目立ちませんが、データの量と質が変化してビッグデータになっている現在にニーズが上がっている職種です。
データとどっぷり向き合う時間が長いため、データそのものが好きで、データ基盤に触れている時間に幸せを感じてしまうような人に向いていると言えるでしょう。
データエンジニアの実情
厚生労働省の職業情報サイト「job tag(ジョブタグ)」がYouTubeで公開しているデータエンジニアの動画です。
YouTube上の動画も参考になります。
データサイエンティストに関連する動画(YouTube)
・データエンジニアってどんな仕事?①【職業選択 / 仕事図鑑】
→https://youtu.be/Y2D0tGucvpM
次は、年収についてです。
令和3年賃金構造基本統計調査によると、データエンジニアの平均年収は558万円で、日本人の平均年収の433万円よりも120万円ほど高くなっています。
機械学習エンジニアに関するデータ
平均年収:558.8万円
平均年齢:41歳
就業者数:176,120人
※令和3年賃金構造基本統計調査
最後に求人件数に関してです。
転職関連サービスでのキーワード「データエンジニア」のヒット件数は以下の通りです。
検索結果(2023年1月)
・Indeed(インディード):445,390件
・Wantedly(ウォンテッドリー):9,555件
・doda(デューダ):475件



データそのものが好きな人は「データエンジニア」が向いているよ^_^
以上で、「機械学習エンジニア」「データサイエンティスト」「データエンジニア」の仕事内容の紹介は終わりです。
最後に:現役のAIエンジニアに話を聞いて目指す職種への理解を深めよう



私にはデータサイエンティストが向いている気がするんですが、まだ決め手に欠けます…
現役のデータサイエンティストの人の話を聞いて、職種を決める参考にしたいです!



職種の選択をミスって、就職後に後悔したいくないですもんね…



現役で働いているエンジニアから直接話しを聞くことはとても良いことだよ
きっとネットの情報だけでは分からないことを教えもらえるよ


気になるAI関連の職種があるのなら、是非行動に移してみてください。
特に、現役で働いている人の話を聞くことは有益な時間になるでしょう。
登壇を聞きに行ったり、直接話を聞くことがオススメ。
話を聞くことで自分が働くときのイメージが掴め、モチベーションアップに繋がります。
現役のAIエンジニアが登壇しているイベントを紹介しているサービス
・テックプレイ(TECH PLAY)
・コンパス(connpass)
現役のAIエンジニアに話を聞くことできるサービスの例
・Menta(メンタ)
・タイムチケット
・ココナラ
・ビザスク



早速興味があるAI関連のイベントに参加してみようと思います!
ネットの情報と現役で働くエンジニアの声の両方をうまく活用して、自分に合ったAI関連の職種を見つけてみましょう。
※注意点
この記事では機械学習エンジニアとデータサイエンティストとデータエンジニアの3つのAI関連の職種の仕事内容を紹介しましたが、AIは新しい産業ということもあり、これらの職種がしめす仕事内容が企業によって違っていることもよくあります。
例えばデータサイエンティストという名称で募集されているのに、仕事内容にデータの加工や整理しか含まれておらず、実質的にはデータエンジニアの仕事内容だったり。
実際に転職活動をするときには職種の名称だけ判断せずに具体的な仕事内容を問い合わせることが重要になります。
\ 現役AIエンジニアが無料で相談にのります! /

